コーロ・カロス 2016公演 合唱オペラ「そして旅に出た―モノガタリとコエカラダと」

合唱オペラ「そして旅にでた―モノガタリとコエカラダと」は終演いたしました。ご来場くださった皆様、お世話になった先生方・スタッフの皆様、ありがとうございました!

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コーロ・カロス公演2016
合唱オペラ そして旅にでた―モノガタリとコエカラダと
2016年10月18日(火)新国立劇場 中劇場
作・演出:加藤直
作曲:寺嶋陸也
指揮:栗山文昭
振付:山田うん
クラリネット:橋爪恵一
パーカッション:加藤恭子
ピアノ:寺嶋陸也

「そして旅に出た」というタイトルでボクは様々な舞台表現の連作を続けている。今回の合唱オペラは「別の自分」に出会おうとする旅がモチーフで 心が抱え 現代というこの世界が隠そうとする「闇」を通り抜けると さて? というのが単純に言うと内容だ。

少々乱暴を承知でボクは「音楽・ウタ」を「闇」とと同類の異郷 探検し続けるに値する不滅の未知だと思う。

今ボクはこの冬上演する芝居の台本を書いている。アンチ・ダイアローグを文体の一つにこれからの演劇を模索しながら苦しんでいる。非対話。モノローグでもない会話の不成立。あ この次代の都会の風景だ!

そうウタや合唱にダイアローグの概念を持ち込むのはどうだろう?聞いているアナタ(他者)と対話する。声と声が時間や空間と対話する。昔 人々は夜「市」や「六道の辻」という日常と異界の間・境界を作り出し放浪人(ウカレビト)や祝福芸人たちと合唱し舞踏までして遊びパレードしたそうだ。そこで女たちと男たちが合唱しながら「闇」をテーマに対話した「歌垣」も行われ「別の世界」を夢見 体験したに違いない。
久しぶりにカロスの皆さんとこの厄介な難題を一緒に苦闘し楽しみたいと思います。

加藤 直